学部長あいさつ

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日本は今、時代の大きな転換期を迎え、政治、経済、社会、文化等のあらゆる分野で大きな岐路に立たされています。ここで大学がいかなる選択・決断をするかは、日本の未来を決する重要な課題です。それは大学が今後の日本の社会や世界をリードする人材育成の大きな任務を担っているからです。価値観が変化し、多様化する現代世界のなかで日本が真に生き抜くためには、時代の行く末を見極めつつ、またその流れに迎合することなく、毅然として難局に当たることができる人材の育成が求められます。

さて、現代の日本社会および特に教育学部がその人材育成を担う学校教育現場は混迷を深め、これという方向性あるいははっきりとした解をもてない状況に置かれています。それは特にインターネットのようなメディア等の発達によって、迅速であるけれども安易な情報入手によって、ますます拍車が掛けられています。そういう現況のなかで特に求められているのは、しっかりとした見識に基づいた的確な判断と、そこからさらに一歩踏み出す勇気と行動力をもった人材であると言えます。現代社会を生き抜くためには、これまで以上の専門的知識や技能の修得が必要であることは言うまでもありませんが、むしろ大学教育にはそのような知識や技能以前あるいはそれ以上の自律的・主体的人格の育成も求められています。

山口大学教育学部ではそのような人材育成のための教育プログラムとして、一つには「ちゃぶ台方式」の取組を進めています。それは学校教育現場が抱える諸課題を、ちょうど円卓である「ちゃぶ台」を取り囲むように、教員も学生も皆が同じ目線に立って議論し、実践し、解決していくという方式です。大学と教育現場との往還的教育を実践する山口大学教育学部独自の方式です。また、人間の社会、特に教育現場で一番大切なものは互いの信頼関係であると思います。そういう「信」を育み、そのあり方を学ぶ場としても「ちゃぶ台方式」は積極的意味を持ちうると思います。この取り組みを、特に本学部における教員養成の中心に据えて、将来の国の礎となる子供たちを育てる教員養成の課題に答えるものとしたいと考えています。

また、さらに山口大学教育学部では現代社会で起こっている様々な問題に答え対処できる人材育成のための教育課程を提供しています。学校教育現場で起こっている問題も単にその現場だけで閉鎖的に解決することは困難です。それは学校現場で起こっている問題がそもそもその背景となっている社会やさらにはその根源にある人間の問題と広くかつ深く関わっているからです。その問題とは具体的には現代特にクローズアップされているいじめやネット犯罪、心身の健康やグローバル化にともなうさまざまな問題、それからそもそも「人間とは何か」、「生きるということはどういうことか」等の根本問題です。いずれも即答できる問題ではなく、まさに学びの現場で多角的視点から考え、自ら解を求め切り開いていくべき問題と言えます。本学部ではそのような問題に立ち向かうための基本的知識や技能ととともに、それを主体的に学び取っていくための場を提供したいと考えています。

これから山口大学教育学部を目指そうとする高校生の皆さんは、特に以上のような本学部の取り組みを良く理解し、この学びの現場に積極的に参画するという気概を持って本学部の門を叩いて頂きたいと思います。それから、既に山口県下の教育現場で重責を担っておられる先生方とはこれまで以上に現在教育現場で起こっている諸課題を共有していきたいと考えております。その課題の共有、さらにはその課題解決に向けてのみなさま方との協働なしには、本学部もその教員養成の使命に答えることはできないと考えています。そのため今後本学部の方から色々な機会を作り、いま一歩踏み出したいと考えています。これまで以上のご支援をよろしくお願いします。最後になりましたが、山口大学教育学部は、地域の方々、山口県教育委員会および各市町村教育委員会、そして本学部同窓会の皆さまから日頃より多大なるご支援、ご鞭撻を賜っております。ここに心より感謝を申し上げます。今後も、地域にとって、また山口県の教育にとって有為な人材を輩出することを志していきたいと考えております。今後ともよろしくお願い致します。

平成25年4月1日
山口大学教育学部長 岡村康夫

〒753-8513 山口市吉田1677-1 TEL/FAX:083-933-5300/5304(教育学部・代表)
Email: www-ed@yamaguchi-u.ac.jp
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